
アメリカ農場蒸溜所の最前線【第1回/全3回】
自前の原料からウイスキーをつくるのは、多くのメーカーの夢でもある。全米8箇所の農家蒸溜所をめぐる3回シリーズ。第1回は、ニューヨーク州とイリノイ州へ。


限定品につき品切れの際にはご容赦ください。
純米酒を用いて貴醸酒を仕込みます(これで1回)、その貴醸酒を用いて更に貴醸酒を仕込みます(これで2回)、その貴醸酒を用いてまた貴醸酒を仕込む。この工程を13回繰り返して出来た貴醸酒を更に1年熟成させたものが今回の貴醸酒「千(sen)」です。
奇想天外な発想で度胆を抜く。
またまたやってくれました。何でこのような酒を造ろうと思ったのか?手間も時間もかかるだろうに・・・。技術も知識も長けてるのに、決して守りに入らず何処までいってもチャレンジャーです。個人的には「こんな日本酒もあるのか」と勉強させてもらう事も出来て面白いから好きですけど。
立ち香には米由来の穀物的な熟成香がほんのり香ります。口当たりは滑らかに、口に含むとトロミを少し伴って、サラサラした蜂蜜のような甘みから、すぐに酸味が現われます。酸味の玉を甘味の膜で包み込んでいるようなイメージです。喉を通った後は静かに身体に浸透していきます。これは「梅の香りがしない梅酒」といってもいいでしょう。食後酒としてもオススメです。
■貴醸酒とは?
貴醸酒は、仕込み水の全部あるいは一部に清酒を用いて醸造した濃厚で芳醇な酒です。貴醸酒のルーツとされるのは、平安時代の延喜式(えんぎしき:宮中での儀式や制度の規定書)に記された御酒(ごしゅ)と呼ばれる酒です。御酒は、いったん醗酵の終了した醪(もろみ)を濾してできた酒に、蒸米と米麹を入れて再び醗酵させてから濾す作業を繰り返し行う「シオリ」法でつくられる酒です。貴醸酒自体は昭和40年代に「外国の人にも飲める日本酒」をテーマに当時の国税局が開発したものですが、「辛い酒が高級酒」「糖添しているお酒は安酒」とされた時代にそぐわず広がりをみせませんでしたが、近年では、古き良き日本文化を見直す動きや、食の多様化など、以前とは明らかに違った個人の嗜好によって様々な日本酒が見直されつつあります。
では、なぜ甘いお酒ができるのでしょうか?通常の日本酒はアルコール度数が0%から醗酵が始まり17%程度まで醗酵させます。それに対して貴醸酒はアルコール度数約10%から醗酵が始まり17%程度まで醗酵させます。つまり本来アルコール10%分お酒になるはずの糖分がそのまま残る為に甘いお酒になります。貴醸酒の製造法は国税庁醸造試験所(現・醸造研究所)が開発し、1975年(昭和50年)年に特許公開されましたが、現在は特許権の存続期間が終了しています。
「貴醸酒」とは吟醸・純米など税務区分ではなく、あくまで「商標名」です。商標は貴醸酒協会の所有です。貴醸酒はアルコール添加がなされていなくても原材料に「米・米麹・清酒」となる為、税務区分は特定名称酒以外の清酒になります。
貴醸酒とは、仕込み水の一部に清酒を使用して発酵させた日本酒です。もろみ初期から多量のアルコールを含むことにより、リンゴ酸を主とした独特の酸味と、濃厚な甘みを有した日本酒になります。
原材料 | 原料米 | 精米歩合 | 日本酒度 | 酸度 | アミノ酸度 | 使用酵母 | アルコール分 |
米(国産)・ 米こうじ(国産米) | ひとごこち20% LGCソフト80% | 60% | -90 | 4.5 | 1.9 | - | 15% |